今日は最終回です。
留学開始とともにはじめたブログも、
これで2年半となりました。
そしてこの12月末に、2年半の留学生活を終えました。
おかげさまで、無事に、MBAとMSEの両学位を取ることができました。
この留学生活をサポートしてくれた沢山の人々に、
本当に感謝しています。
皆様のサポートが無しでは、
学位をとるどころか、留学に行くことすらできませんでした。
色々な想いが交錯しますが、
2008年の紅白歌合戦が終わるまえにこのブログを終了したいので、
感謝の想いを胸に、
2008年の締めくくりとともに、
MBAマッチョ日記を終了したいと思います。
最後に、下記は、私自身が大切にしている原則で、
常に更新し続けているものですが、
これからも、これを胸に、前向きに楽しんでいきたいと思います。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
・生きていることが何よりも幸せ。生きていることを楽しむ。 ・自分が最後の瞬間にどうありたいか、常に感じて生きる。 ・人と長く大切に付き合うこと。 ・良心に従い、ユーモアを忘れない。 ・自分の力が及ぶ範囲に集中する。どうしようもないことは気にしない。 ・失敗してもへこまない、次で頑張る。 (どのスパンで評価するかで、成功失敗は決まる) ・生きることは日々問いかけてきて、どんな問いも二度と繰り返されることはない。それに答えて行くことが生きること。
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昨日の記事の続きで。 自分の変えるための7つのステップ(簡略化したもの) ・関係者からフィードバックを受け、改善すべき悪癖を特定する ・関係者にこれまでの悪癖について謝罪する ・「自分は変わる」と公言する ・変わるためのアイデアを関係者から聞く ・どのような内容であっても黙って聞き、感謝の意を表す ・改善のための行動を実践し、 定期的に関係者からフォローアップを受ける ・さらに、関係者がどう思うか予測して行動の改善につなげる、 フィードフォーワードを試す
GEのジャック・ウェルチもコーチした有名なエグゼクティブコーチが、 コーチングの極意をといた本がある。 その本の中に、 経営幹部になる前に直すべき20の悪癖があるが、 リーダーを目指す人にとってはどれも参考になると思う。 トップになる前に直すべき20の悪癖 ・極度の負けず嫌い ・何かひとこと価値をつけ加えようとする ・善し悪しの判断を下す ・人を傷つける破壊的コメントをする ・「いや」「しかし」「でも」で文章を始める ・自分がいかに賢いかを話す ・腹を立てている時に話す ・否定、もしくは「うまくいくわけはないよ。その理由はね」と言う ・情報を教えない ・きちんと他人を認めない ・他人の手柄を横取りする ・言い訳をする ・過去にしがみつく ・えこひいきをする ・すまなかったという気持ちを表さない ・人の話を聞かない ・感謝の気持ちを表さない ・八つ当たりをする ・責任回避をする ・「私はこうなんだ」と言いすぎる どれだけ優秀な人でも幾つかの悪癖があるが、 それを改善しようとすることこそ大事なのだと説いている。 しかし、 「極度の負けず嫌い」、、、耳が痛い。 負けず嫌いではあるけど、極度ではないと自分で思っているが、 これは関係者のコメントを待たねばならない。 「腹を立てている時に話す」、、、っていうか、 「腹をすかしている時に話す」と通常、腹が立っていて、 「腹を立てている時に話す」になってしまうので、 これも気をつけなければならない。
一時停止の標識は日本にもアメリカにもあるのだけどその運用ルールがぜんぜん違う。 日本の場合、優先道路とそうでない道路があって、 優先道路側はまったく気にしないが、優先道路でないほうの車が一時停止して、タイミングを見計らって出て行く。 アメリカの場合(ペンシルバニア州の場合)、よっぽどの幹線道路と細道の交差点でない場合は、ほとんどの場合、優先道路、そうでない道路の区別がなくて、交差している道路の両側に一時停止の標識がある。つまり交差点に入ってくる車がすべて一時停止することになる。 で、一時停止した後、どの車が先にいくかなんだけれども、 かなり厳密に、最初に交差点に入った車から出ていく、というルールがある。 Aが向こうからきて、Bが右からきて、自分が交差点に入り、Cが左からきた。 すると、まずはAが交差点に入っていき、その次がBで、自分はその次、ということにある。 また、たとえ、対面の車が右折しようとしていようが、相手が先に交差点に入ったなら、相手を先にいかせるのだ。 これは結構厄介で、 ちょっとでもその順番を間違おうものなら、 4方向の車から、クラクションの嵐か、 もしくはカモーンベイビーという叫び声が聞こえてきそうなくらい、 車の中で大きなジェスチャーで怒るのがアメリカ流なのだ。 今日、ぼーとしていて、対面の車が先に交差点に入って一時停止していて左折を出していたのに、その交差点に入った後一時停止して、すっと動き出そうとしてしまい、それと同時に向こうの車が左折をしようとしており(アメリカは右側通行なので左折が反対車線を横切る形になる)、周りからクラクションの嵐。もう2年半も住んでいるのにふとしたことで、日本の感覚で運転してしまい顰蹙であった。 日本に帰ったときは日本のルールにあわせるべく気をつけなければいけない。特に、歩行者でも道路を渡るときに反対を見てしまうので要注意だ。
アメリカへの留学生は、I-20と呼ばれる入学許可証が必要なのだが、 これは結構重要な書類で、 留学中にアメリカを出て再入国するときにパスポートとともに必ず必要となってくる。 しかしこれが曲者で6ヶ月ごとに学校からのサインを更新してもらわないといけない。 よく聞くミスが、 海外旅行の直前になってI-20のサインをもらわないといけないことに気づくが、 学生課は閉まっていてもう間に合わず泣く泣く旅行をあきらめるといったケース。 MBAのインド人の友人は、 ナイアガラの滝へのドライブを計画していたのだが、 I-20のサインが間に合わず、 泣く泣くカナダ側に渡ることが出来ず、 アメリカ側からのみ見ることになったとか。 というわけで、 卒業前の最後の旅行に備えて、 I-20の更新にいってきた。 これが最後のI-20の更新になるだろう。
もうすぐMBAとMaster of Software Engineering(MSE)の両修士をとるべくチャレンジした留学生活も終わりを告げようとしている。 どちらの修士も日本でいう通常の修士とは違って、 いわゆるプロフェッショナルスクールと呼ばれるものであり、 入学前のWork Experiences(働いた経験)が求められる。 業界で経験を得たのちに、そのクラスメートの経験を持ち寄って、 より高い学習効果を目指しているのだ。 業界経験は、 MBAで4~6年(平均年齢28歳くらい)、 MSEで3~5年(平均年齢26歳くらい)だろうか。 2つの学位を経験してみた面白かったのは、 やはりそこに在籍している人が全く違うということ。 MBAの人は、やはり概して、外向的で、人当たりがよく、よくしゃべる。 目指しているのもコンサル、金融、ゼネラル・マネージャー。 服装にも気を使い、立ち居振る舞いも意識している。 チームを組んでも自然と誰かがリードをとる。 しかし、しゃべるだけしゃべって、 自分自身が手を動かさない人も中にはいる。 MSEの人は、真面目で論理的で、内向的。 目指しているのはリード・エンジニア、アーキテクト、プロジェクト・マネージャー。 クラスの中でアンケートをとったが自分を外交的だと思う人の 割合は確か2割をきっていたと思う。 非常にハードワーカーで、良い意味でも悪い意味でも、 自分自身で仕事を仕上げようとする。 もちろん、これは、私が感じたMBAの人、MSEの人に対する印象の話であり、 中には例外もいるし、それにどちらが良い悪いの話でもない。 単純に、2つの違う世界があり人がいて、 そこにその世界の価値観がある。 どちらも世界中の優秀な人が集まって英語で議論しているのだけど、 違う言語を話し、違う興味を持ち、違う優先順位で生きている。 どちらの世界も理解できて、 どちらの世界で生きている人も好きなのが、 私自身の競争力であり、 それを活かす形で世の中に貢献していきたいと思う。
この夏からゴルフをはじめた。
カーネギーメロンの裏には、
18ホール$5でまわれるシェンリーパークゴルフクラブがある。
早朝にまわれば1時間半かからずに9ホールまわれる。
それだけでなく、ちょっとグーグルマップを見ると、
車で30分ほどのところに、
綺麗だけど安い(カート付で$30程度)ゴルフ場が沢山ある。
本当にアメリカのインフラは素晴らしい。
これでは日本のプロがアメリカのプロに歯がたたないのも良く分かる。
でも物理的なインフラ以外にも、もっと違うインフラがあって、
そっちのほうでも太刀打ち出来ないな感じることが先日あった。
その日は奥さんのcociaが奥様方とガールズ?ゴルフするために、
Ken.TはRen.Tの子守として、
cocia達が打っている後ろからついてまわっていた。
日本ではこういう風景自体考えられないと思うが、
アメリカではお父さんと小学生になっていない息子が
一緒にまわっているシーンを何度もみた。
そのときに、
たまたま通りかかったおばさんが、Ren.Tを見てこう言った。
"What a young golf player!"
「なんて若いゴルフプレイヤーでしょう!」
Ken.Tはこう返した。
"Well, Maybe too young"
「ええと、でもちょっと、若すぎですよね」
するとおばさん、真剣な顔をして、
"No. Never too young!!"
「いいえ。若すぎるなんてことは決してないわ」
このアメリカ人のメンタリティ。
これこそが物理的インフラよりも大切なことなんだと思う。
Pittsburgh近郊のLindenwood Golf Clubにて。
日経ビジネス11月10日号を読んでいたら、日本テニス協会会長の盛田正明氏がテニスの錦織君について書いていた記事があり面白かったので、少し紹介します。
「100、10、1」 盛田氏がソニーにいた頃、井深氏から学んだ教え。
新製品開発のアイデアが100件あっても、10の新製品が生まれればいいほう、ヒット商品は1しかない。夢を追い求め、世の中に存在しない商品を作り出すことが、1につながる。
盛田氏はソニーを引退した後、好きなテニス界を活力あるものにしよう、と決める。
そして、ソニーのヒット商品の考え方をテニス界に置き換え、
まずは有望な新人を発掘して世界で活躍できる夢のある選手(つまり、1)を育成しようと思ったそう。
試行錯誤の繰り返しのうちで学んだのは、
日本から米国の名門テニススクールに子供たちを送り込んでも駄目ということ。
ある程度までは育ってもそこから先は伸びない。
受け入れ側もビジネスだから、
「本当に一流選手として育てあげたい」と思う
才能のあるジュニアしか真剣にトレーニングしない。
そこで、米国側のヘッドコーチを日本に呼んで、
原石を見させ、これは!と思う子を選んだもらったそうだ。
その方式の最初の小学生の一人が錦織君なのだ。
彼は3年目から特待生に選ばれると、
コーチが目の色を変えて彼を鍛えるようになった。
どんな立派な制度を作っても指導する側が真剣にならないとうまくいかない。
これは会社経営にも、どんなことにもあてはまる。
こうして育てられた世界に通用するプレーヤー錦織圭。
日本人初のTOP10も可能ではないかと夢を見させてくれる選手だ。
彼は日本のテニスを「やる」から「見る」に変えたというブログの
エントリ があったが、
本当にその通りだと思う。
観客は彼を見ているだけでなく、
その彼の成長軌道の先にある夢を一緒に見ているのだ。
2008年11月4日、日付が変わる前に、バラック・オバマ氏が米国の44代大統領に当選されました。本当におめでとうございます。 当選直後に、マケイン氏がホームのアリゾナでconcession speech(敗北宣言)を行う。当選相手であるオバマ氏を称え、サポーターに感謝する。オバマ氏の名前がでるときに彼のサポーターがブーイングするのは残念だが、マケイン氏本人はそれをなだめながら、私の大統領、ということでオバマ氏を称えたのは良かった。 「このキャンペーンでこれ以上何ができたのかわからない。誰でもミスはするし私もミスをしたと思う。でも、これからの人生を後悔で過ごしたくはない。少なくともこのキャンペーンに出馬したことは私にとって光栄なことだから」 そして、オバマ氏がシカゴでvictory speech(勝利宣言)。自信に満ちた、しかし、これからの責任に覚悟を決めた表情でとうとうと語る。感動のあまりむせびなく観衆。簡潔だけど聴衆をインスパイアするスピーチだった。 "Hello, Chicago. If there is anyone out there who still doubts that America is a place where all things are possible, who still wonders if the dream of our founders is alive in our time, who still questions the power of our democracy, tonight is your answer." 簡約「シカゴの皆さん!もしここにまだ疑っている人がいたら、アメリカでは全てのことが可能であることを疑っている人がいたら、アメリカを作りあげた祖先の夢がまだ現代でも生きていることを疑っているひとがいたら、民主主義のパワーを疑っている人がいたら、この夜が答えです。」 - 途中略 - "It's the answer spoken by young and old, rich and poor, Democrat and Republican, black, white, Hispanic, Asian, Native American, gay, straight, disabled and not disabled, Americans who sent a message to the world that we have never been just a collection of individuals or a collection of red states and blue states. 簡約「その答えは、若い人、年老いた人、裕福な人、貧しい人、民主党員、共和党員、黒人、白人、ヒスパニック、アジアン、ネイティブアメリカン、ゲイ、ストレート、ハンディキャップのある人、ない人、そして世界中にわれわれは個人のただの寄せ集めではなく、レッドステート(共和党支持の州)とブルーステート(共和党支持の州)のただの寄せ集めでもない、というメッセージを送ったアメリカ人によって!!答えられたのだ!!」 一緒に聞いていた奥さんと黒人、白人、ヒスパニック、アジアン、、、のくだりで感動して涙が出た。彼は全ての人々を代表しようとしている。あまり明るいニュースのない世界の中で、この経済状況の中で、アメリカ国民は、Transformational Leader (変革リーダー)をその大統領に選んだ。そして、その大統領は、白人と黒人の混血でハワイ生まれの、インドネシアにも在住していた男なのだ。 スピーチ全文はこちら。 http://www.independent.co.uk/news/world/americas/the-full-text-of-barack-obamas-victory-speech-993008.html ちなみに、 オバマ氏当選の様子を報道しながら、 アフリカ系アメリカンのCNNのインタビュワーが涙ぐみ身体を震わせながら言っていた言葉が印象的だった。下記のような内容だった。 「子供と将来の夢を話していて、 野球選手や、宇宙飛行士やなりたいっていうんだったらいい。 でも、大統領になりたい、っていったら、 息子よ、ほかの事を目指したほうがいいんでないか、としか言えなかった。 それが今すべてが変わった。今日は歴史的な瞬間なんだ」 少しずつでも世の中は良い方向へと変わっていこうとしていく。それを少しずつでも可能にしていこうとする、変わろうとしていく、アメリカという国は素敵だと思う。
気がつくと、留学生活も後2ヶ月半。残りの生活を悔いのない様に過ごしたい。
、というのは、私のチームメンバーの大学時代の恩師が卒業時に授けたアドバイスだそうだ。 そのこころは、 コンピュータは、それを作った人が、命令すれば何でも従うようにできている。 (プログラムを書けば、そのとおりに動く、という意味で) そんなものに毎日10時間以上接していたら、 何でも従ってくれることに慣れてしまう。 人間に対してもそんな風に接してしまうようになってしまうよ、 ということだそうだ。 最近、コーディングばかりしているので、 ちょっとぎくっとした。
私のすぐ傍に、毎日ひらめいている人がいる。10ヶ月の息子だ。 ヘレンケラーの有名な言葉。 "I knew that "w-a-t-e-r" meant the wonderful cool something that was flowing over my hand." 私はそのとき、水とは、私の手の上に流れ落ちてくるこの冷たくて素敵なものを意味するのだと悟りました。 先日のRen.T(息子)の場合はこうだ。 私はそのとき、指をさしたらママとパパがその方向を向いてくれることに気づきました。 そして次の日には、 私はそのとき、このボタンを押したら不思議な絵本から音楽が鳴ることに気づきました。 学習とは無数のひらめきの繰り返しである、と茂木さんが「ひらめき脳」の中で書いていたが、 Babyは毎日無数の(小さな)ひらめきを繰り返して、親をびっくりさせてくれる。 サリバン先生じゃないけど、親としては、そんな彼のひらめきを見守っていられることを幸せに感じる。 ちなみに、さらに「ひらめき脳」によると、 リラックスがひらめきを生む、そうなので、いかにリラックスできる環境を整えてあげられるかが、この時期の親の務めなんだろう。
エベレストの頂上の眺望はこんな。生きているうちに行くことがあるだろうか。
http://www.panoramas.dk/Fullscreen2/Full22.Html ほかにも富士山もすごく綺麗。
http://www.panoramas.dk/fullscreen2/full4.html http://labs.cybozu.co.jp/blog/akky/archives/2008/05/360-mt-everest-panorama.html
進化圧という言葉にたまたま出会った。
あの名画「皇帝ペンギン」を例に、このように解説されていた。
極寒の南極で、激しい進化圧(注)に何万年も何十万年もさらされたあげくにペンギンがたどりついた繁殖のための長距離ハイク。 【注】進化圧とは、自然淘汰による進化をうながす方向にかかる自然の圧力。生存が難しい環境ほど進化圧は強くなる。「虫を食べる鳥」は虫にとっての進化圧。虫達の保護色や擬態は、すべてその進化圧の結果である。 Life is beautiful: YouTubeはメディアビジネスに対する進化圧 satoshi.blogs.com/life/2006/07/youtube.html ちなみに、淘汰圧(selection pressure)の方が、進化圧(evolution pressure)より生物学的には正しいようだ。
現在の理解では、生物を進化させるに至る圧と言う考えはなく、淘汰しようとするエネルギーに対する反作用の結果が進化だと言うようなイメージです。生物を積極的に淘汰することは出来ても、積極的に進化させることは出来ませんよね。淘汰される流れの中でその流れに逆らって生まれた新規の形質を進化と呼ぶのであって、進化は結果論に過ぎない、というのが現在の進化論では定説とされているようです。 Life is beautiful: YouTubeはメディアビジネスに対する進化圧、の中のコメント欄より satoshi.blogs.com/life/2006/07/youtube.html 自分自身の留学してからの2年間を振り返ってみたときに、一言でいうならば、淘汰圧がかかり続けた2年間なんだ、と思う。英語のみのコミュニケーション。異文化での生活(大好きな刺身無し)。クラスの中での自分の立ち位置の模索。自分への期待感と実際のアウトプットのギャップからくるストレス。
そして、進化が自分で選べない、というのもすごく腑に落ちる。様々な淘汰圧がかかっているなかで、「はじめから志向していた進化」が選べるのならば、淘汰圧がかかっているとはいえないのだろう。淘汰圧がかけられ続けて、その中で、その流れに逆らい続けて(たまに逆らわなかったりもして)、その小さな抵抗の数々が、積み重ねられてきて。。
その積み重ねられた抵抗の塊が、量から質として変化したときはじめて、それが進化と呼べるものなのかもしれない、と感じたのだった。
自分に対する噂話にはめざとく反応する人のことを、地獄耳な人と呼ぶことがあるが、インターネット上での自分のうわさを聞きつける人のことはなんというのだろう。
先日、こんな事件があった。
MSEのクラスの中で、最先端のStatic Analysisツールを使って評価する授業があった。Findbugs, Coverity, Agitar, Klockworks, Fortifyといったオープンソースから商用ソフトウェアまで様々なツールが評価された。こういったStatic Analysisツールの多くは高価な商用ソフトウェアなので通常は購入しなければいけないのだが、CMUでの評価ということで、評価内容を外に公開しないということで、特別に無料で使わせてもらえることになっている。
我がチームもあるソフトウェアを評価したのだが、その会社からは
評価内容を対外的に公開しないことを念押しされたうえ で、評価用ライセンスをもらうことができた。事件は、そのツールを評価中におきた。チームの一員が、評価内容のレビューをチームにお願いする際に、チームメンバーが登録されているいつものメーリングリストを利用した。通常はそのメーリングリストはメンバーにしか公開されていないのだが、何かの手違いで、たまたま一般に公開されるモードになっていた。つまり、
その評価レポートが一時的に、インターネット上で公開された ことになる。しかし、我がチームはそんなことは知る由もなかった。。。
そうすると、そのメールを送った夜に、そのツールベンダー(会社)から教授宛てに緊急のメールが飛び込んだ。内容はこうだ。
下記の内容のメールがインターネット上に公開されていますが、これはあなたのクラスに関係しているようです。何らかのアクシデントで公開されているのではないでしょうか? (以下、略) 教授からは我々のプロジェクトに連絡があり、全くもってこちら側のミスなので、あわてふためいた我々はすぐさまメーリングリストをクローズした。そして、会社側に謝罪のメールを送りお許しを頂いた。
なぜ、会社側は、我々の評価内容がインターネット上にリークしたことを知ったのだろうか?
じつは、Googleには
Google Alert という機能があり、ある単語を登録しておくと、その単語がウェブ上に登場したときに通知してくれるサービスだ。つまり、その会社は、自分の会社のツールに関係する単語をすべてGoogle Alertに登録しており、毎日チェックしているわけだ。まさに地獄耳。
早速、Ken.Tも「MBAマッチョ日記」を登録してみたが、全く持ってウェブ上では噂されていないようで、嬉しいやら、悲しいやら。。
昨日は、表計算ソフトであるExcelをがりがり使ってLBOの意思決定をするためのモデルを作っていたわけだが、そのトレーニング自体も良かったのだけど、ソフトウェアエンジニアリングを専門とするものとして、つくづく表計算ソフトを思いついた人はすごいな、と思った。今のビジネスにおいて表計算ソフトがなかったら仕事にならない人が何人いることだろうか。
LBO modelingワークショップ トレーニング・ザ・ストリート しかし、気になるのは、誰が最初に表計算ソフトを作ったのかということだ。Wikipediaによると、どうやら最初にそのコンセプトを市場化したのは、VisiCalcだそうだ。
Bricklin によれば、彼は ハーバード・ビジネス・スクールで 教授が黒板に金融モデルを書くのを見ていた。その教授が間違いに気づいてパラメータを修正しようとしたとき、表の中の大部分を消して書き直さなければなら なくなった。これを見た Bricklin は、このような計算をコンピュータ上で処理する「電子式表計算」を思いついたのである。 http://ja.wikipedia.org/wiki/VisiCalc
しかし、特許はとっていなかったため、後発の表計算ソフトのいずれも、VisiCalcの作者に特許料は支払っていないらしい。
電子式表計算は画期的なアイデアだったが、Bricklin はこのアイデアでは特許を取れないだろうと助言され、この発明から得られたであろう莫大な利益を逃してしまった。当時、アメリカ合衆国ではソフトウェアの特許は認められておらず、権利は著作権でのみ守られるとされていた。著作権はアイデアそのものを守るのには適しておらず、競合他社はコンセプトを即座にコピーして表示形式を変えるだけで著作権違反を問われずに販売することができたのである。 http://ja.wikipedia.org/wiki/VisiCalc作者のホームページ には、アイデアを思いついたときから、その歴史まで詳細に書かれていて面白い。 ちなみに、表計算ソフトの現在のマーケットシェアはわからないが、
1997年時点 で、出荷数の7割をExcelが占めているようなので、現在はExcelが現在市場を寡占していると見てよいだろう。(その時点でLotusが1割)
しかし、最近では、フリーのOpen Officeや、WebベースのGoogle Spreadsheetsなども出てきている。Google Spreadsheetsのほうは、
Monthly unique visitorが60万人を超えている とのことだ。
実際に、自分のプロジェクトでもGoogle Spreadsheetsをプロジェクト管理用ツールとして使っている。複数人で同時に編集できるし、オンライン上でシェアできるので重宝している。Bricklin氏、本当にありがとうございます。
参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/VisiCalc
http://www.danbricklin.com/visicalc.htm http://ftp.utdallas.edu/~liebowit/book/sheets/sheet.html
http://blog.compete.com/2007/12/06/google-docs-spreadsheets/
今日は一日缶詰で、LBO modelingワークショップに参加している。これは、TTS社のトレーニングで前回はFinancial Modelingのワークショップに参加したが非常に質が高いワークショップなので毎回楽しみにしている。 http://www.trainingthestreet.com/ LBOとは、レバレッジド・バイアウト(Leveraged Buyout)のことで、企業買収手段の一種で、買収対象の資産を担保に負債を調達するのが特徴だ。ソフトバンクが約2000億円の自己資金のみで、2兆円弱のボーダフォンを買ったものLBOだし、ライブドアがフジテレビにしかけたのもLBOだ。 とにかく、Excel漬けの一日です。
2008年春学期取得中のクラス。
MSEが8割、MBAが2割。
特にStudio Projectと、Independent Studyはクラスではないので負荷が非常に重たく、それがブログから私を遠ざける要因となっているが、なんとか確保してブログをつけていきたいと思う。
Studio Project (MSE)実際のお客様に16ヶ月かけてソフトウェアを作るプロジェクト。昨年の秋学期からはじまっている。
過去記事→
プロジェクトの立ち上げ期 ただ作るだけでなく、クラスで習った 最新のソフトウェアエンジニアリング手法を駆使する必要がある。また、
SEI のエンジニアがメンターについており毎週レビューがある。顧客と毎週クライアントミーティングを行い開発を進めていく。現在、Ken.TはSoftware Architectの役割を務め、技術の面から顧客とチームのコミュニケーションをサポート中。
Architectures for Software Systems (MSE) ソフトウェアアーキテクチャのクラス。アーキテクチャの大御所であるDavid Garlan (MSEのDeanでもある)と、
ACDM (Architecture Centric Development Method)の提唱者であるAnthony Lattanzeが教授のクラス。日本でSoftware Architectureをきちんと教えているクラスなんて本当にないなあ、とつくづく実感させられるクラス。
Analysis of Software Artifacts (MSE) 様々なテスト手法、デザイン手法を学ぶクラス。最新のStatic Analysisから、セキュリティ、パフォーマンスの最適化手法、デザインパターンなど幅広く学ぶ。宿題が重たくて事前に時間を確保しておかないと簡単にお陀仏。
Independent Study (MSE) こちらはクラスではなく、教授の指導の元、自己研究を行うもの。David Garlanの指導のもと、アーキテクチャのドキュメント手法について研究中。この夏に論文にまとめる予定。
Corporate Restructuring (MBA) いかにして会社をFinanceの面から立て直すか、特に、会社のM&A、Valuation(価値評価)に関するクラス。昨年、TepperのBest Professorに選ばれたRobert Dammon教授の授業は最高だった。解説に非常にわかりやすく、厳しくも優しい。最初は苦手であったFinanceも流石に基礎を一通り学んだおかげで、今は非常に楽しむことができる。
New Product Management (MBA) いかにして新製品を市場に導入するかを学ぶクラス。実際に現場に適用できそうな話ばかりなので学ぶことが沢山。
今日はMBAのNew Product Marketingのクラスでグループプレゼンテーションがあった。結構成績に大きく影響するプレゼンなので、グループの皆でそれなりに準備をしてきた。そんな中、すごくじんわりとする瞬間があったので報告したい。
私はdual degreeなので12月末に卒業予定なのだが、MBAのクラスメートはこの5月に卒業していく。というわけで、この学期がMBAの同級生と過ごす最後の学期になる。後残すところ2週間だ。このクラスのグループメンバーは、Josh(アメリカ人)、Maciek(ポーランド人)、Ido(イスラエル人)といずれもBabyを持つお父さんチーム。(といってもJoshの子供はまだお腹の中なのだが。)
なので、ミーティング時間のすり合わせの時も、子供をDay careに預けるからその時間は駄目とか、奥さんが嫌がるから日曜は止めようとか、なかなかゆるくて心地よい。そんな親父会話を聞きながら、Prospective fatherのJoshがふむふむ、そうきたか、と頷いている表情もほほえましい。(ちなみにJoshはかのドラマFriendsに出てくるRossとキャラがかぶっている。)
10時半からクラスで、クラスがはじまったらすぐプレゼンだったので、9時頃からまだ誰もいない教室に集まり、プレゼンのリハーサルをした。もう2年生の終わりにもなってくると、プレゼンにも慣れっこなので、1時間ほどでほぼ準備は整った、後は時間が来るのを待つだけという状態になった。
グループ4人のほか誰もいない教室。30分後にはじまるプレゼンテーション。そのプレゼンテーションが、その緊張感が、心の片隅にあるのだけど、それを忘れて車座になってのたわいもない談笑。ああ、こういう空気、好きだな、と思った。
好きな映画の中にプライベートライアンがある。(ネタばれなので見てない人はこの先危険です)
ノルマンディー上陸作戦を部隊に描かれた映画の中で最も好きなシーンは、ようやく探し当てたライアン2等兵に、あなたのお兄さんが全員亡くなったから母のために故郷に帰ろう、とライアン救助部隊が告げるのだけど、ライアン2等兵は兄達を思い一筋の涙を流した後、自分はここを味方と守っているから帰らない、という。そして、救助部隊ともども、敵の大群が押し寄せる前線に居残ることになるのだが。。
ここからが好きなシーンだ。
嵐の前の静けさ。ほぼ廃墟となった街の中で、そばに迫った敵軍が押し寄せてくるまでのスキマ時間。その非日常の感覚がそうさせるのだろう。なぜか人と人との距離が急激に近くなる。子供のとき近所のお姉ちゃんがいけてた、などという、たわいもない話がやけに胸に染みる。そして、敵の戦車の音がどんどんと大きくなっていく。。
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と、現実に話を戻して、
そんなプレゼンがはじまるまでのスキマ時間を、グループの皆で楽しんでいたら、ふとJoshがこういった。
"This presentation is going to be my last presentation in Tepper..."
(このプレゼンテーションが学校での僕の最後のプレゼンテーションなんだ。)
私以外のメンバーは皆うなずき、一瞬しんとなって、それぞれトイレに行ったり、資料を再確認したりしだした。私も、ベストを尽くすよ、とそっと心に誓い、プレゼンの復習をした。彼らの最後のプレゼンに一緒に参加できたことが非常にうれしかった。
もちろん、Joshの最後のプレゼンはそこそこうまくいったと思いますよ。
先日は野球の桑田選手の引退を聞いてしみじみとしていたら、今日はおもむろにテニスの伊達選手のプロ復帰を聞いてびっくりした。2人とも間違いなく真摯に努力をしてきて、成果を残してきた人達なので、そのような人たちがどういう判断を下そうとも、その裏には様々な物語が見え隠れして、沢山のインスピレーションを与えられる。 自分自身で人生を選択していくこと。そして、己の選択だからこそ、誰にも言い訳せずに、黙々と努力し、その姿勢が、そしてつながっていく結果が、人々を感動させる。私もそういう風に生きていきたい。
といっても、 私はdual degreeなので今年一杯は最低でもかかるのだが、Tepper Business Schoolの多くの友達は学校を去ってしまう。Tepperの皆と過ごせる最後の学期。これが終わると、皆それぞれの人生を各々の舞台で刻んでいく。大切に過ごしたいと思う。 ちなみに、先週ヒラリー・クリントン氏がピッツバーグに演説にきた。オバマvsクリントン。白熱する民主党の大統領予備選。ペンシルバニアは187人も議員を抱える重要拠点であるため、わざわざピッツバーグにも足を運んでいるらしい。なんと、同じアパートに住む友人夫婦は、その演説を見に行って、なんと握手までしてもらったらしい。おお、すごい、と思いながら、ヒラリーさん、選挙権が無い人と握手してしまいましたな、としょうもないことを考えてしまう今日この頃であった。
昨日ビルゲイツがCMUを訪れたので、早速その講演にいってきた。彼がマイクロソフトからの引退に伴い、全米のうちのCMUを含む5つの大学を訪れるというFarewell Tourの一環であった。ちなみに、ビルゲイツはCMUのコンピューターサイエンスへの貢献を賞賛しており、過去には、20億円以上の寄付しており、CMUはそのお金で現在ゲイツビルディングを建てている。
過去記事:
http://cmumba.blog67.fc2.com/blog-entry-41.htmlやはり彼はソフトウェアエンジニアのヒーローであり、CMUでもその人気はすさまじく、3時間前から待ち構えて、たまたま入場券をゲットできた。
講演の中で、ビルゲイツの「マイクロソフト最後の日」というビデオが流されたが、ヒラリークリントン氏、オバマ氏、ジョージ・クルーニー氏をはじめ業界の著名人が沢山でてくる豪華なビデオであった。YoutubeでもUPされているのでまだ見ていなければ必見である。
http://youtube.com/watch?v=3HA4lSUhlbw&feature=related ちなみに、こちらはその講演の動画付の記事
http://www.wpxi.com/news/15372127/detail.html講演の中身は、やはり、マイクロソフトよりはゲイツ財団(なんとその規模3兆円の世界最大の慈善財団)につながる話が多く、いかに途上国の生活を向上するか熱をもって話していた。面白かったのは、マイクロソフトでのマネージメントと、財団のマネージメントでは、違うところよりも同じところが多いと語っていたこと。いかに優秀な人を雇うか、いかにゴールにコミットするか、いかに政治的な事柄を扱うか、いかにマーケティングするか。
一代でマイクロソフト帝国を築き上げ、その資本主義のインセンティブの仕組みにより世界一のお金持ちになったビルゲイツ。そして引退後は、世界最大の慈善団体を、ビジネスライクに運営していく。彼はなにより世界はこれからもこの先も必ず良くなっていくと信じていた。
講演後は、全員でstanding ovation。Q&Aの後、講演の最後にCMUからビルゲイツへの贈り物があった。スクリーンに椅子に座った一人の凛とした老人が映し出される。彼は鉄鋼王、
アンドリュー・カーネギー 。篤志家としても知られ、一代でCarnegie Steelを築き上げて引退後は、カーネギー財団を作り、1900年にはカーネギー技術大学を(後のCMU)設立している。その写真の中で彼が座っている椅子がピカピカに磨き上げられてビルゲイツに贈られた。ビルゲイツの過去と未来をカーネギーに見立てて称える、なんとも粋な計らいだ。
Ken.TはCMUのコミュニティにいることを心から誇りに思い、そして、生のビルゲイツを15m先に見て、間違いなく格好よい人間だと感じて前向きパワーを受け取り、そして、そそくさとクラスに途中から忍び込んだのであった。
小額のローンが人生を変えうる。
Loans that change lives.
Kivaというサイトがあり、そこでは、小額($25から)の融資を途上国の熱意ある人々に無利子で融資することができる。
http://www.kiva.org/app.php 必要融資額、ビジネスの中身、プロフィールなどの詳細な情報を見てあたかも直接融資するような仕組みになっており、融資後も定期的に借主から報告が入る。Kivaとはスワヒリ語で「絆」という意味があるそうだ。
学生の頃、バックパッカーとして弟とカンボジアをまわっていたときに心にひっかかることがあった。観光客向けに、籠に閉じ込められた小鳥を籠から出してあげる権利を売っている店があって、たくさんの観光客が喜んで籠から鳥を出してあげていたのだ。籠から出してあげてもすぐまた籠に閉じ込められるのに、だ。
ちょっと例は極端であったが、そのような一時的で本質的でない支援に比べて、このKivaの支援の仕方は自分の価値観にあっていると感じた。早速、毎月ピンときた人に小額だけれども融資することにした。最初はあの出来事があったカンボジアから。思いのある人を支えることができる素晴らしいモデルだと思う。
「富の未来」、という本を読んでいる途中で、知識工作機械という言葉がでてきて、ちょっとした気づきがあった。 今の専門はソフトウェア工学なのだけど、大学生のときは研究室で、機械を大量に作るための機械、いわゆる工作機械の勉強をしていた。 そこから、興味と機会の赴くままに、大学院で違う研究室に移ってソフトウェアの勉強をし、就職して、基礎研究、経営管理、ソフトウェア・セールス、ソフトウェア技術コンサル、と移ってきた。現在は、MBAを勉強しながら、ソフトウェア工学を勉強している。ソフトウェア工学は、一言でいうと、ソフトウェアをうまく作るための学問である。 「気づき」の話に戻すと、 今やっているのは、ソフトウェアを作るためのソフトウェア(ソフトウェアエンジニアリングツール)の開発である。よく考えてみたら、それって、大学での工作機械(機械を作るための機械)の研究と、分野は違えど同じことなのだ。つまり、なんとなく繋がりは分かっていたのだけど、自分でも言葉にできていなかった関係性が見えてちょっとした気づきだったのだ。 ところで話は変わるが、 ツールというものは非常に大事なものだ。ツールがあってはじめて可能になることがある。漠然とした話だが、工作機械があって産業革命が成り立った。ソフトウェアを開発するツールがあってはじめて複雑なソフトウェアを開発することができる。 そして、この記事のタイトルの知識工作機械とは、知識を生み出すためのツール群だ。英語、インターネット、ソフトウェア(Google、Skypeをはじめとするソフトウェアツール)を駆使することで多国籍のチームで時差を超えてコラボレートできる。それが現在世界で起こっている革命なんだろう。日本ではよく、モノ作りを大切にしなければ、という議論がされるが、そのときのモノというのは、感覚的に車や産業機械のような形のあるモノ限定の話が多い気がする。でももう、そのモノだけに限定していては古いんだろう。そのモノは、今の世代、次の世代のモノも考えなければならず、そのモノ作りを支えるツール(インフラストラクチャ)を作ることにこそ頑張らなければならないのだ。
8ヶ月ほど前に、この話題を書いたのだが、
http://cmumba.blog67.fc2.com/blog-entry-222.html とうとう、マイクロソフトが約62%上乗せの市場価格($44.6B=約5兆円)でヤフーを買収することを提案しており、本格的に腰をあげた感がある。
http://online.wsj.com/article/SB120186587368234937.html?mod=sphere_ts しかし、62%の上乗せ(プレミアム)は尋常ではない。
現在のヤフーの株式価値は$27.5Bである。通常、株式市場はヤフーの成長率も見込んでその株価をつけている。どれだけヤフーが成長することが見込まれていても、それは織り込み済みである。つまり、普通に考えたら、$27.5B以上を払うと損をするのだ。
62%のプレミアムをマイクロソフトが払うというのは、マイクロソフトがヤフーを買収してはじめて産み出される価値(シナジー)が$27.5B*62%=$17B以上存在していると、マイクロソフトが見込んでいるいうことだ。
こういった会社のM&Aによるシナジーの典型的な例は、コスト削減である。たとえば、銀行同士が統合した場合、(サービスの質は落とすことなく)支店を減らすなどで大幅な削減が期待できる。また、別の例として、売り上げ高の向上もあげられる。たとえば、世界規模で販売網を持つ会社が、すばらしい製品を持つが販売網がローカルに限られた小さな会社を買った場合など、その小さな会社単独ではなし得なかった売り上げを達成することができる。そして、一般的には、M&Aによるコスト削減のようなシナジーほうが、売り上げ高の向上などのシナジーよりも成し遂げる確率が高いことが経験上知られている。
話を戻すと、マイクロソフトとヤフーが買収することによるシナジーが$17Bだせるだろうか、としばし考えてしまった。コスト削減だけでも年間$1Bが見込めると記事に書いてあったが、それはかなり眉唾ものに思える。システムの統合に別のコストがいるし、統合して優秀なエンジニアを削ってそれが競合に移動したらもともこもない。確かに、二つの会社の併せたことで売り上げ高は増えるが、それは単純に両社の和でありシナジーではない。シナジーとして実際にどれだけ売り上げ高が増やせるのだろうか。
http://www.reuters.com/article/wtMostRead/idUSWNAS894220080201?pageNumber=3&virtualBrandChannel=10004また、他の懸念点としては、これまでマイクロソフトはこれほど大きな会社を合併した経験はないし、マイクロソフトとヤフーの会社の文化の違いも気になる。
かといって、マイクロソフトもこのまま静観しているわけにはいかないのが実情だ。Windows、Officeがいつまで安泰かわからない状況である以上、オンライン広告市場でグーグルに遅れをとったままの場所でいるわけにはいかない。
週明けのニュースが楽しみである。
先日、息子のRen.Tが5ヶ月目を迎えた。 そして、ちょうど5ヶ月目の日に、はじめて彼の寝返りを目撃した。うつ伏せにして遊ばせていて、ちょっと目を離して目を戻すと、仰向けになっていた。もしや、と思い、もう一度うつ伏せにじっと観察していたら、頭を左に振ってその遠心力で回転することを覚えたことを確認できた。 思えばすごい成長ぶりである。 もうすでに父親の声が分かるので、 家に帰ってきてから遠くから名前を呼んでも、 ものすごい笑顔で待っていてくれる。 何でも手を伸ばし、口に含んでその触感を楽しむように。 掴んだものを、右手から左手に渡せるようになった。 お座りが不安定ながらも出来るようになってきた。 手を持ってあげると、無理やり立ち上がって、 よろよろしながらも自分の足で立つことができる。 ハイハイしだすのも時間の問題だろう。 幼稚園のお披露目会で子供が踊っている姿を見て、 母親が涙している光景はありがちだが、 その気持ちが本当によくわかる今日この頃である。
友人は非常に本を読む人で、昨年は1年間で160冊、今年もハイペースで読み続けている。そして、成功スキル系の本はほぼ読みつくしてきている感があるそうだ。恐らく、彼は、その分野における全体的な要素と、その関係性を網羅した、いわゆるメタ知識をマスターしたのであろう。
http://keepgoin.blog26.fc2.com/blog-entry-285.html ところで、
新しい分野の本を読むときには一冊だけを読むのではなく、数冊同時によんで、全体感を掴みながら読んだほうが感覚的に学習効果が高いと思う。それは、全体感がつかめることが一つ。そして、同じことについて色々な書き方や解釈の仕方があり、自分に理解しやすい書き方を見つけやすかったりするからなのだろう。
また、数冊の中に、平易な言葉で書かれた解説本も混ぜておき、それをさきにさっと目を通しておくと、より分かりやすい。(寄り道話だが、感覚的には、日本には、そういう平易な解説本が沢山あるのだけど、アメリカは結構そういう本を見つけるのが難しい。やはり、教育レベルが平坦な日本ならではこその傾向な気がする。)
しかし、平易な言葉で書かれた解説本はあくまで解説本であり、分かりやすくするために時に重要な内容を削ったり、抽象度の高い言葉で書いたりするので、間違って理解する危険度も高い。そのメリット・デメリットはきちんと押さえておくべきだ。その分野について、深く理解するためには、あくまで数冊平行して読んで、自分の腹に落とし込む努力が必要なのだと思う。
面白いサービスを見つけた。
SlideShare
http://www.slideshare.net/ 一言でいうと、パワポのYoutube版だ。ウェブ上でスライドをシェアすることができる。
ちなみに、
Google Docs でも、ウェブ上でスライドを作れるのだけど、まだデザインの観点からはパワポにかなわないし、パワポにエクスポートできなかったりなど、発展途上である。しかし、面白いので、プレゼンの際に使ってみたところ、やはり周りからは不評であった。
Youtubeが颯爽と登場してから、それをプラットフォームとしたRimoやニコニコ動画(今はyoutubeを使わずに自分で動画を持っている)が出てきたり、Youtubeに触発されてか、動画シェアの発展系としてShareSlideのようなものが出てくる。そのスピード感には本当に驚かされるし、こうきたか、、と感動させられる。
自分も含めて今の若い人達にはこの動きにしっかり目を見張っていて欲しいと思う。
#2008年初の書き込みとなりました。2007年末は忙しすぎて書き込めませんでしたが、また書きはじめたいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。
今日クラスメートのプレゼンで引用していた言葉が非常に気になった。
価値のあることとは何か?という文脈で、
下記の4つの文を、Guy Kawasakiの本から引用していた。
価値のあることとは、下記のうちのいずれか。
- Make the world a better place - Increase the Quality of Life - Right a Wrong - Prevent the End of something good. - 世界をより良い場所にする - クオリティ・オブ・ライフを向上させる - 間違っていることを正す - 何か良いものが無くなってしまうのを阻止する
ちなみに、Guyの本はMBA、特にアントレプレナーシップの分野では有名で、Tepperのアントレのクラスでも教科書になっていた。
Guy Kawasaki
http://www.guykawasaki.com/価値のあることに固執したいものです。
2ヶ月半になるRen.Tは、
すでに自己主張をしっかりするようになってきた。
おっぱいが欲しいとき、
おしっこしたとき、
抱っこして欲しい、ときのいずれかの場合、声をあげて主張する。
(うんちのときは泣かないで、むしろ、嬉しそうにしている。
暖かいからか?)
機嫌が悪いときは泣くが、抱っこするとぴたりと泣き止むので、
赤ちゃんにしては、楽な部類の子に入るのだろう。
しかし、一度抱っこちゃん状態に入ると、
かなり機嫌が良くなるまでは、
肩の上に抱え上げるようにして抱いておかないといけない。
どこかに置こうとするそぶりを見せただけで、甘えた声をあげる。
そのため、一度抱っこちゃん状態に入ると、
1時間くらい抱いていないといけないわけだが、
そうなるとどうしても片手がふさがってしまい、
本はなんとか読めるのだけど、
パソコンを打つことができないのが目下の悩みだ。
そういえば、昔、インタフェース関連の研究をしていたときに、
片手入力の方法がいろいろあったことを思い出し、
それを再度検索してみた。
片手入力用の
専用ハードウェア 買うのは勿体ないので、
ソフトウェアで片手入力ができるものを使うつもりだ。
WKey というのが面白そうなので、これを試してみることにした。
こんなニーズは、パパになるまで気がつかなかったなあ。
抱っこしてくれる人型ロボット、本当に欲しい、今日この頃。