彼らは、アメリカ人といえど、アジア人留学生のおかれた環境をよく理解してくれている。また、アジアの食べ物・文化が好きなせいもあって、色々と話も合う。
しかし、彼らの英語はやたらと早い。特にVictorはニューヨークから来たし、日本でいうとヤンキー(死語?)のような感じなので、やたらスラングを多用した英語を早くしゃべる。いまですら彼らの英語を聞き取れないことはよくあり、そのたびに聞き返すのだが、やはり聞き取れないこともある。
仕方がないのでゆっくり言ってくれと頼んでも聞き取れないときがあり、そんなときは申し訳なく思うのだが、一つ重大なことに気づいた。ゆっくり話しているといっても、普通のネイティブには、こちらが望むような「ゆっくり」の話し方は出来ないのだ。
例えば、「%$&^&%$%$&^&%$%$&^&%$」、とVictorが言ったときに、私が望む、ゆっくり話して、は、こういう「ゆっくり」だ。
英語「%$&^&%$%$&^&%$%$&^&%$」
↓ゆっくり
英語「% $ & ^ & % $ % $ & ^ & % $ % $ & ^ & % $」
つまり、文章全体が等間隔に伸ばされたイメージのものを聞きたい。
しかし、彼らが出来るゆっくりは、こうなる。
英語「%$&^&%$%$&^&%$%$&^&%$」
↓ゆっくり
英語「%$&^&%$ %$&^&%$ %$&^&%$」
↓もっと、ゆっくり
英語「%$&^&%$ %$&^&%$ %$&^&%$」
つまり、単語複数個の固まり(チャンク)で出来ている文章だとして、チャンク毎の間の間隔を伸ばすことしかできないのだ。ベラベラベラ (ストップ) ベラベラベラ (ストップ) ベラベラベラという感じになる。
私がそのことを指摘にして、等間隔に伸ばしてくれ、とお願いしても、VictorもLawsonも、試してみてくれたもののできなかった。Novaの先生とかは、きっとかなり練習して出来るようになっているのだろう。
結局、私がその英語を聞き取れなかったとき、
Lawsonはいい奴なので、「Sorry, Ken.T」と言ってくれた。
Victorはヤンキーなので、「You suck! Hahaha!」と笑い飛ばしていた。こんちくしょうめ。