新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサーサイト
新しい記事を書く事で広告が消せます。
インターネット上で地獄耳になる
先日、こんな事件があった。
MSEのクラスの中で、最先端のStatic Analysisツールを使って評価する授業があった。Findbugs, Coverity, Agitar, Klockworks, Fortifyといったオープンソースから商用ソフトウェアまで様々なツールが評価された。こういったStatic Analysisツールの多くは高価な商用ソフトウェアなので通常は購入しなければいけないのだが、CMUでの評価ということで、評価内容を外に公開しないということで、特別に無料で使わせてもらえることになっている。
我がチームもあるソフトウェアを評価したのだが、その会社からは評価内容を対外的に公開しないことを念押しされたうえで、評価用ライセンスをもらうことができた。事件は、そのツールを評価中におきた。チームの一員が、評価内容のレビューをチームにお願いする際に、チームメンバーが登録されているいつものメーリングリストを利用した。通常はそのメーリングリストはメンバーにしか公開されていないのだが、何かの手違いで、たまたま一般に公開されるモードになっていた。つまり、その評価レポートが一時的に、インターネット上で公開されたことになる。しかし、我がチームはそんなことは知る由もなかった。。。
そうすると、そのメールを送った夜に、そのツールベンダー(会社)から教授宛てに緊急のメールが飛び込んだ。内容はこうだ。
下記の内容のメールがインターネット上に公開されていますが、これはあなたのクラスに関係しているようです。何らかのアクシデントで公開されているのではないでしょうか? (以下、略)
教授からは我々のプロジェクトに連絡があり、全くもってこちら側のミスなので、あわてふためいた我々はすぐさまメーリングリストをクローズした。そして、会社側に謝罪のメールを送りお許しを頂いた。
なぜ、会社側は、我々の評価内容がインターネット上にリークしたことを知ったのだろうか?
じつは、GoogleにはGoogle Alertという機能があり、ある単語を登録しておくと、その単語がウェブ上に登場したときに通知してくれるサービスだ。つまり、その会社は、自分の会社のツールに関係する単語をすべてGoogle Alertに登録しており、毎日チェックしているわけだ。まさに地獄耳。
早速、Ken.Tも「MBAマッチョ日記」を登録してみたが、全く持ってウェブ上では噂されていないようで、嬉しいやら、悲しいやら。。
表計算ソフトを思いついた男
LBO modelingワークショップ
トレーニング・ザ・ストリート
しかし、気になるのは、誰が最初に表計算ソフトを作ったのかということだ。Wikipediaによると、どうやら最初にそのコンセプトを市場化したのは、VisiCalcだそうだ。
Bricklin によれば、彼はハーバード・ビジネス・スクールで 教授が黒板に金融モデルを書くのを見ていた。その教授が間違いに気づいてパラメータを修正しようとしたとき、表の中の大部分を消して書き直さなければなら なくなった。これを見た Bricklin は、このような計算をコンピュータ上で処理する「電子式表計算」を思いついたのである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/VisiCalc
しかし、特許はとっていなかったため、後発の表計算ソフトのいずれも、VisiCalcの作者に特許料は支払っていないらしい。
電子式表計算は画期的なアイデアだったが、Bricklin はこのアイデアでは特許を取れないだろうと助言され、この発明から得られたであろう莫大な利益を逃してしまった。当時、アメリカ合衆国ではソフトウェアの特許は認められておらず、権利は著作権でのみ守られるとされていた。著作権はアイデアそのものを守るのには適しておらず、競合他社はコンセプトを即座にコピーして表示形式を変えるだけで著作権違反を問われずに販売することができたのである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/VisiCalc
作者のホームページには、アイデアを思いついたときから、その歴史まで詳細に書かれていて面白い。
ちなみに、表計算ソフトの現在のマーケットシェアはわからないが、1997年時点で、出荷数の7割をExcelが占めているようなので、現在はExcelが現在市場を寡占していると見てよいだろう。(その時点でLotusが1割)
しかし、最近では、フリーのOpen Officeや、WebベースのGoogle Spreadsheetsなども出てきている。Google Spreadsheetsのほうは、Monthly unique visitorが60万人を超えているとのことだ。
実際に、自分のプロジェクトでもGoogle Spreadsheetsをプロジェクト管理用ツールとして使っている。複数人で同時に編集できるし、オンライン上でシェアできるので重宝している。Bricklin氏、本当にありがとうございます。
参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/VisiCalc
http://www.danbricklin.com/visicalc.htm
http://ftp.utdallas.edu/~liebowit/book/sheets/sheet.html
http://blog.compete.com/2007/12/06/google-docs-spreadsheets/
LBO modelingワークショップ
http://www.trainingthestreet.com/
LBOとは、レバレッジド・バイアウト(Leveraged Buyout)のことで、企業買収手段の一種で、買収対象の資産を担保に負債を調達するのが特徴だ。ソフトバンクが約2000億円の自己資金のみで、2兆円弱のボーダフォンを買ったものLBOだし、ライブドアがフジテレビにしかけたのもLBOだ。
とにかく、Excel漬けの一日です。
2年目春学期のスケジュール(MBA&MSE dual)
MSEが8割、MBAが2割。
特にStudio Projectと、Independent Studyはクラスではないので負荷が非常に重たく、それがブログから私を遠ざける要因となっているが、なんとか確保してブログをつけていきたいと思う。
Studio Project (MSE)
実際のお客様に16ヶ月かけてソフトウェアを作るプロジェクト。昨年の秋学期からはじまっている。
過去記事→プロジェクトの立ち上げ期
ただ作るだけでなく、クラスで習った 最新のソフトウェアエンジニアリング手法を駆使する必要がある。また、SEIのエンジニアがメンターについており毎週レビューがある。顧客と毎週クライアントミーティングを行い開発を進めていく。現在、Ken.TはSoftware Architectの役割を務め、技術の面から顧客とチームのコミュニケーションをサポート中。
Architectures for Software Systems (MSE)
ソフトウェアアーキテクチャのクラス。アーキテクチャの大御所であるDavid Garlan (MSEのDeanでもある)と、ACDM (Architecture Centric Development Method)の提唱者であるAnthony Lattanzeが教授のクラス。日本でSoftware Architectureをきちんと教えているクラスなんて本当にないなあ、とつくづく実感させられるクラス。
Analysis of Software Artifacts (MSE)
様々なテスト手法、デザイン手法を学ぶクラス。最新のStatic Analysisから、セキュリティ、パフォーマンスの最適化手法、デザインパターンなど幅広く学ぶ。宿題が重たくて事前に時間を確保しておかないと簡単にお陀仏。
Independent Study (MSE)
こちらはクラスではなく、教授の指導の元、自己研究を行うもの。David Garlanの指導のもと、アーキテクチャのドキュメント手法について研究中。この夏に論文にまとめる予定。
Corporate Restructuring (MBA)
いかにして会社をFinanceの面から立て直すか、特に、会社のM&A、Valuation(価値評価)に関するクラス。昨年、TepperのBest Professorに選ばれたRobert Dammon教授の授業は最高だった。解説に非常にわかりやすく、厳しくも優しい。最初は苦手であったFinanceも流石に基礎を一通り学んだおかげで、今は非常に楽しむことができる。
New Product Management (MBA)
いかにして新製品を市場に導入するかを学ぶクラス。実際に現場に適用できそうな話ばかりなので学ぶことが沢山。
Last Presentationとスキマ時間
私はdual degreeなので12月末に卒業予定なのだが、MBAのクラスメートはこの5月に卒業していく。というわけで、この学期がMBAの同級生と過ごす最後の学期になる。後残すところ2週間だ。このクラスのグループメンバーは、Josh(アメリカ人)、Maciek(ポーランド人)、Ido(イスラエル人)といずれもBabyを持つお父さんチーム。(といってもJoshの子供はまだお腹の中なのだが。)
なので、ミーティング時間のすり合わせの時も、子供をDay careに預けるからその時間は駄目とか、奥さんが嫌がるから日曜は止めようとか、なかなかゆるくて心地よい。そんな親父会話を聞きながら、Prospective fatherのJoshがふむふむ、そうきたか、と頷いている表情もほほえましい。(ちなみにJoshはかのドラマFriendsに出てくるRossとキャラがかぶっている。)
10時半からクラスで、クラスがはじまったらすぐプレゼンだったので、9時頃からまだ誰もいない教室に集まり、プレゼンのリハーサルをした。もう2年生の終わりにもなってくると、プレゼンにも慣れっこなので、1時間ほどでほぼ準備は整った、後は時間が来るのを待つだけという状態になった。
グループ4人のほか誰もいない教室。30分後にはじまるプレゼンテーション。そのプレゼンテーションが、その緊張感が、心の片隅にあるのだけど、それを忘れて車座になってのたわいもない談笑。ああ、こういう空気、好きだな、と思った。
好きな映画の中にプライベートライアンがある。(ネタばれなので見てない人はこの先危険です)
ノルマンディー上陸作戦を部隊に描かれた映画の中で最も好きなシーンは、ようやく探し当てたライアン2等兵に、あなたのお兄さんが全員亡くなったから母のために故郷に帰ろう、とライアン救助部隊が告げるのだけど、ライアン2等兵は兄達を思い一筋の涙を流した後、自分はここを味方と守っているから帰らない、という。そして、救助部隊ともども、敵の大群が押し寄せる前線に居残ることになるのだが。。
ここからが好きなシーンだ。
嵐の前の静けさ。ほぼ廃墟となった街の中で、そばに迫った敵軍が押し寄せてくるまでのスキマ時間。その非日常の感覚がそうさせるのだろう。なぜか人と人との距離が急激に近くなる。子供のとき近所のお姉ちゃんがいけてた、などという、たわいもない話がやけに胸に染みる。そして、敵の戦車の音がどんどんと大きくなっていく。。
![]() | プライベート・ライアン トム・ハンクス ジョン・ウィリアムズ トム・サイズモア CICビクター・ビデオ 2002-06-07 売り上げランキング : 35464 |
と、現実に話を戻して、
そんなプレゼンがはじまるまでのスキマ時間を、グループの皆で楽しんでいたら、ふとJoshがこういった。
"This presentation is going to be my last presentation in Tepper..."
(このプレゼンテーションが学校での僕の最後のプレゼンテーションなんだ。)
私以外のメンバーは皆うなずき、一瞬しんとなって、それぞれトイレに行ったり、資料を再確認したりしだした。私も、ベストを尽くすよ、とそっと心に誓い、プレゼンの復習をした。彼らの最後のプレゼンに一緒に参加できたことが非常にうれしかった。
もちろん、Joshの最後のプレゼンはそこそこうまくいったと思いますよ。
桑田選手の引退、伊達選手の復帰
自分自身で人生を選択していくこと。そして、己の選択だからこそ、誰にも言い訳せずに、黙々と努力し、その姿勢が、そしてつながっていく結果が、人々を感動させる。私もそういう風に生きていきたい。