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英語リーディング能力に対する誤解
リーディング能力が高い、という認識は、あくまで日本人のリスニング能力と比較すると、リーディングのほうが良いだけであって、日本人留学生は留学生活がはじまると、ほぼ全員、多量なリーディングに苦労するのが現実だ。アメリカの大学では大量のリーディングの宿題があって、基本的に授業はそのリーディングを前提にしているので、大量のリーディングを読みこなしてはじめて、しっかりと授業が理解できるのだ(アメリカ人ですら)。しかし、多くの日本人留学生がその大量リーディングをこなすことが出来ず、さらっと要所を読んだだけで授業に臨み(臨まざるを得ず)、そして授業の中での実りが少なくなっているのが現状であると思う。個人的に、これは非常に問題だと感じる。
この問題を分かりにくくしているのは、「難解な英文でも、時間をかければ読みこなせる」、という日本人の偏ったリーディング能力のせいだ。なまじっか大学受験で難解な英文読解な訓練を受けていて、英文を品詞のパーツに分解して組み立て直すことで、難しい英文も時間をかければ何とか分かる。
なので、何回聞きなおしてさっぱり分からないリスニングに比べると、それほど問題がなく感じてしまうのだ。
そうすると、授業についていけない理由を、リーディング能力の低さは全く無視して、リスニング能力の低さだけに紐づけてしまいがちだ。確かにリスニング能力が低いのは問題なのだが、じつは前提知識がある状態で授業を聞くのと、無い状態で授業を聞くのでは、同じリスニング能力をもってしても理解の程度に、雲泥の差がで てくる。結局、前提リーディングを前もってこなしてあれば授業をもっと理解できた可能性がないがしろにされているのだ。
さて、日本人の偏ったリーディング能力という言い方をしたが、分かりやすく表にして大げさに表現してみると、こんな感じになると思う。
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ネイティブ 日本人
簡単な英文 超速い 遅い
難しい英文 普通 遅い
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ポイントは、ネイティブは簡単な英文を読む速度がむちゃくちゃ早い、ということだ。ぱっと見て、文の塊で理解する。これは、日本人なら日本語を読むときには自然とできる能力だ。そして、これが多くの日本人留学生が英語リーディングに対して、留学当初に持っていない能力なのである。
難しい英文をみてみると、ネイティブだって難しい英文はそんなに早くない。「普通」vs「遅い」の差だから、やっぱリーディングはなんとかなるよね、と言いたくなるかもしれないが、じつはさらにからくりがある。
例えば、宿題で教科書の30ページのリーディングが出たとしよう。大抵の場合、30ページのうち、全てが「難しい英文や分かりにくい表現」かというとそうではなくて、簡単な部分と、難しい部分が混じっている。そして、ネイティブは簡単な部分を、超速で読めるのだ。
そして、さらに上の表を書き換えてみよう。
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ネイティブ 日本人
簡単な英文 超速い 遅い
(重要でない部分)
難しい英文 普通 遅い
(重要ポイント)
--------------------------------------------
同じ例を使うが、教科書の30ページのうち、英文としては簡単ではなくても、内容としては重要でない部分が沢山ある。例えば、重要なポイントを述べた後の、「繰り返し具体例を挙げている部分」などは、ネイティブはきちんと読み込まなくても、さらっと超速で読んでしまう。そうすると、ネイティブの場合、30ページの大半は超速で読めるわけで、大事なポイントだけは流石に普通速度になるが、それは30ページ中のたかだか1,2ページとなってしまうのだ。
長々となってしまったが、結局、ネイティブと日本人のリーディング力を比べると、その大半において、「超速」VS「遅い」になってしまい、これは授業についていかねばならない日本人留学生にとって非常に大きな課題なのである。といって、課題だけあげても切なくなるだけなので、次回は、じゃあどうやってリーディング能力を上げたらいいか、について、純ドメとして、英語にもがき苦しんできたKen.Tお勧めの方法を話したいと思います。
いや、もがき苦しんできたKen.Tのお勧めをやっても、もがき苦しむだけでは?と思ってしまうかもしれませんが、一応、その経験を踏まえてやり直すならこうしたい、という話をしますよ、もちろん。
コメント
確かにそうやなぁ
俺の場合,ジャンルによってひどく偏りあるけど,基本的なリーディング速度は 遅い or 超遅い に分類されるやろな...自分の仕事分野の英文は大概(個人的な感覚では)サラッと読めるけど,それ以外の分野はからっきしやもんなぁ.
>てらっちさん
是非、SSS試してみて!ブックオフとかで古本で買えるかもしれんね。
うーむ…
私は本は好きなのに reading が苦手なので、英語はおろか日本語も辛いです。で、過ぎ去りし若い頃、英語の長文を読むために苦労しましたが、その時思ったのは、知ってる事だと読みやすいけどなー、でした。文脈ですね。まぁ、これは reading だけじゃなく hearing/listening もそうなんでしょうけれども…。
Ken T. さんの reading assignment の量は尋常じゃ無さそうなので比較にならないとは思いますし、文脈に頼り過ぎると先入観で間違えることもありますからねぇ。次回を期待しています。。。
#今必要に迫られてますので(笑)
気になる!
私も今学校で「英文読むのおっそいよなー」と自分で残念に思ってるところなので、次回の記事を期待してます。 シドニーって移民が多い町だから、外で英語使う分にはあまり問題ないけど、私の行く学科にはほとんど留学生がいないらしいんだよね・・・(学部生に聞いた)。 なので、結構切実です。 今年中になんとかせねば!
>名無しさん
>文脈に頼り過ぎると先入観で間違えることもありますからねぇ。
そうですよね。しかし、重要でないところは文脈にたよって、流し読みでいいんですよね。次回あまり期待されすぎて肩透かしだったかもしれません。。
>Yorryさん
留学生がいないほうが、他の人たちからみて珍しがられていいかもね。最初の3ヶ月は特に大変だと思うけど、頑張って乗り切ってください!後から振り返って自分を誉めてあげられるくらいに。:-)
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