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取り返しはつかない

新潮9月号に掲載された養老孟司氏の追悼文「追悼河合隼雄 取り返しはつかない」に関して、梅田さんがコメントを書いていた。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070811/p1


養老さんの追悼文は(全文を読んでいないので正確には書けないが)、河合氏の類稀なる才能が、河合長官としての雑事や、日本社会のしがらみの中で増えていく義理の連鎖のために、活かしきれなかったのではないのか、、勿体無い、という内容だったと推測できる。司馬遼太郎さんの仕事についてのコメントにも、はっとした。


司馬遼太郎は「坂の上の雲」を書いている間、おそらく十年間ほど、大阪の街を顔を上げて歩けなかったと書いていた。一切の義理をその間、無視したからである。河合さんには、もっとそういう仕事をしてもらいたかった。でもあのお人柄ではなあ。そうも思う。



そして、この追悼文に関して対して梅田さんは、非常に共感したそうだ。


3 年前、僕が日本を離れてシリコンバレーに移住した理由の一つに「日本に住んでいると、義理を果たすためだけに、自分の大切な時間が無制限に失われていく」と強い危機感を抱いたから、というのがあった。さまざまなしがらみの中で増えていく「義理の連鎖」に莫大な時間を割きながら、自分がやりたいことを実現するための「体力」が、僕には決定的に不足していると思ったのだ。



上記の文章を読んで、感じたことは大きく二つ。

まず、司馬さんのように天賦の才に恵まれた方でも、傑出した仕事をするためには、義理を欠いてまでも、、義理を欠いて顔を上げて大阪の街を歩けない思いをしてまでも、不断の努力を積み重ねていかねばならないということ。梅田さんもそうだ。そういえば、バガボンド26巻で巻尾に、井上さんは下記のコメントを書いていた。読んだだけで、正座をしたくなる真摯な気持ちになった。


連載を始めて今年で9年。
9年描いて初めて書ける台詞があったことに気づく。
たった一言の台詞が含むものを過不足なく伝えるのには、
それだけのの時間の積み重ねが必要だったみたいだ。
今回その台詞を書いたあとで気がついた。
どの台詞かは内緒
井上雄彦


9年描いて初めて書ける台詞。その台詞がどれなのか、一人のファンとして推測して楽しむのは当然だ。


もうひとつは、今この留学生活が、ある意味、合理的に義理を欠いていられる貴重な時間だということ。日本でいたら仕事としての責任や、社会人としてどうしても欠く事の出来ない物事に多大な時間がとられるが、現在の学業においては、自分自身である程度時間をマネージできる。


与えられた才能と環境を使い切って、大きな仕事ができるように、
現在の毎日を積み重ねていきたい。
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コメント

確かに没頭できる良い時間ですよね。きっと回りに分かって貰える時は来ると思います…。個人的にも似たような事を最近切に感じます。でもそれに自分がちゃんと追いついてないのは問題ですが!

梅田さんの blog にあるコメント達は、何だか迷走気味ですね。イデオロギーに過ぎるというか…(苦笑)

>ソリトンさん
そういうのって長いトンネルをくぐらなければいけないから、辛いですよね。頑張ってくださいね!梅田さんのblogのコメントたちは、確かに(苦笑)。

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