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マイクロソフトとヤフーの合併話2

8ヶ月ほど前に、この話題を書いたのだが、
http://cmumba.blog67.fc2.com/blog-entry-222.html

とうとう、マイクロソフトが約62%上乗せの市場価格($44.6B=約5兆円)でヤフーを買収することを提案しており、本格的に腰をあげた感がある。
http://online.wsj.com/article/SB120186587368234937.html?mod=sphere_ts


しかし、62%の上乗せ(プレミアム)は尋常ではない。

現在のヤフーの株式価値は$27.5Bである。通常、株式市場はヤフーの成長率も見込んでその株価をつけている。どれだけヤフーが成長することが見込まれていても、それは織り込み済みである。つまり、普通に考えたら、$27.5B以上を払うと損をするのだ。

62%のプレミアムをマイクロソフトが払うというのは、マイクロソフトがヤフーを買収してはじめて産み出される価値(シナジー)が$27.5B*62%=$17B以上存在していると、マイクロソフトが見込んでいるいうことだ。

こういった会社のM&Aによるシナジーの典型的な例は、コスト削減である。たとえば、銀行同士が統合した場合、(サービスの質は落とすことなく)支店を減らすなどで大幅な削減が期待できる。また、別の例として、売り上げ高の向上もあげられる。たとえば、世界規模で販売網を持つ会社が、すばらしい製品を持つが販売網がローカルに限られた小さな会社を買った場合など、その小さな会社単独ではなし得なかった売り上げを達成することができる。そして、一般的には、M&Aによるコスト削減のようなシナジーほうが、売り上げ高の向上などのシナジーよりも成し遂げる確率が高いことが経験上知られている。


話を戻すと、マイクロソフトとヤフーが買収することによるシナジーが$17Bだせるだろうか、としばし考えてしまった。コスト削減だけでも年間$1Bが見込めると記事に書いてあったが、それはかなり眉唾ものに思える。システムの統合に別のコストがいるし、統合して優秀なエンジニアを削ってそれが競合に移動したらもともこもない。確かに、二つの会社の併せたことで売り上げ高は増えるが、それは単純に両社の和でありシナジーではない。シナジーとして実際にどれだけ売り上げ高が増やせるのだろうか。


http://www.reuters.com/article/wtMostRead/idUSWNAS894220080201?pageNumber=3&virtualBrandChannel=10004



また、他の懸念点としては、これまでマイクロソフトはこれほど大きな会社を合併した経験はないし、マイクロソフトとヤフーの会社の文化の違いも気になる。

かといって、マイクロソフトもこのまま静観しているわけにはいかないのが実情だ。Windows、Officeがいつまで安泰かわからない状況である以上、オンライン広告市場でグーグルに遅れをとったままの場所でいるわけにはいかない。

週明けのニュースが楽しみである。
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